汚れちまった悲しみに
2007年10月17日
「先生、この詩は?」
教科書のページをめくって次に出てきたのは、
中原中也だった。
『汚れちまった悲しみに』
汚れちまった悲しみに
今日も小雪の降りかか
汚れちまった悲しみに
今日も風さえ吹きすぎる
汚れちまった悲しみに
たとえば狐の皮衣
汚れちまった悲しみは
小雪のかかってちぢこまる
汚れちまった悲しみは
なにのぞむなくねがうなく
汚れちまった悲しみは
倦怠のうちに死を夢む
汚れちまった悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れちまった悲しみに
なすところもなく日は暮れる
うまくは言えないけど、
言葉の使い方やその発想に圧倒される詩だ。怖ろしい詩だ。
中原中也って名前は聞いたことはあるけど、今までにきちんと読んだことはなかった。
国語の授業を担当するとは思いもしなかったことは既に書いたが、
こうして多くの素晴らしい文章に出会えることは、何よりも嬉しい。
【おまけ】
かつてこんなドラマもあったんだね。知らなかったなぁ。