現代文の読み方
2010年12月08日
中学校の教員である妻が、
自分の勉強にと買ってきた問題集を見て、
思わず「おっ!!」と思った。

出口先生の本だったからである。
私は出口先生の、現代文に対する考え方が好きである。
かつて授業で、高校生の国語を担当していた頃、
私も先生の本をよく読んだ。
出口先生の問題集の優れているところは、
「国語はセンス・感覚で解くのではない」と明確にし、
その解き方を問題集を通してトレーニングしていける点と、
問題文として使用している文章が、良質である点だと考えている。
さてここからは、私の考えを私の言葉で綴るが、
結局のところ、
現代文、とりわけ論説文を読むうえで大切なことは、
筆者の「最も言いたいこと」(主張)を、きちんと掴んでいくことだと思う。
そして、それは日々の会話において、
相手が結局何が言いたいのかを、考えていくことと同じである。
現代文の勉強は、コミュニケーションのトレーニングでもある。
筋道を立てて(論理的に)、
相手に分かりやすく伝える基本的なひとつの形に、
以下のようなものがあると考えている。
・こうなんだ :主張
・なぜならば :理由
・たとえば :具体例
・しかしながら :主張との対比
・するとどうなる?(うまくいかないよね)
・だから、こうなんだ :再び主張
かつての同僚は、ニヤリとしたかもしれない(笑)
もちろん、これはあくまでも基本形に過ぎないので、
文章や、言葉においても、
・こうなんだ
・なぜならば
・だから、こうなんだ
となるかもしれないし、
・たとえば
・たとえば
・たとえば
・たとえば
・こうなんだ
という時もあるかもしれない。
大切なのは、
自分が受け取る立場であるならば、
相手の「こうなんだ」(主張)が何かを常に考えていくこと、
さらには、どこが具体例なのか、どこが理由なのかを捉えていくこと。
逆に自分が発信する立場であるならば、
自分の「こうなんだ」(主張)を明確にし、
相手にその主張が分かりやすく伝わりやすいように、
理由や具体例を示していくことである。
そういう点において、
相手に伝わりやすいように考えて、自分が書くということが、
相手が言いたいことを、自分がよりきちんと掴んでいくことにも繋がっていくと、
私は考えるのである。